以前(その13)でも同じようなことを書きましたが、今回は歴史的な視点ではなく、個体の特徴という視点から背う職年齢について書いてみました。話が進むに連れて現代社会で容認されない過激な主張になっているかもしれませんが、大事なことだと思うので公開しました。一般的に結婚について悩む先進国の現代人の年齢では、特に反感が大きいかもしれません。

10代半ばまでの結婚妊娠出産、あるいは性の対象として見ること自体が先進国では禁忌され、一部ラディカルな団体に至っては、途上国での10代の結婚を阻止しようという介入まで行なっているようです。

しかし実際のところ10代半ばまでには二次性徴として月経(女)、精通(男)と共に女はスカートを短くするなどして肌を露出したくなったり寂しさに耐えるのが非常に辛くなったりするし、男は性欲に強く支配されるようになります。これらは精巣や卵巣ホルモンから分泌されるホルモンの影響によるところが大きいのですが、身体が生殖可能な状態になるとともに、生殖行動を促進するような精神作用がもたらされることは、「仕方なく起きてしまう悪いこと」なのでしょうか?
月経は女にとって煩わしく苦痛の大きなものではありますが、それが10代半ばに始まることの意味は何でしょうか。何年も(場合によっては20年以上も)使うことのない機能のための待機にしては無駄が大きすぎるのではないでしょうか。年齢が進むと、妊娠出産にとって悪いことばかりが多くなります。

最初の排卵以降、出てくる卵子は劣化するのみ(先天異常の割合が増える、妊娠しにくい)ということ、また10代の半ばまでは恥骨結合が緩く、骨盤が左右に開くことで安産になりやすいこと、先天異常の割合が20代のうちから既に上昇することは明確な事実ですが、何故かそういう事実よりも、一般的には10代では身体が成熟していないため妊娠に適さないというような、具体的根拠を伴わない警鐘が目立ちます。
先に挙げた事実は女性の社会進出や専門教育を推奨する現代の先進国の価値観と矛盾するのかもしれませんが、非科学的・独善的な思想に基く無責任な主張から自分の未来を守る必要があるかもしれません。

仮に最適な年齢が10代ではなくてもう少し遅くて20歳くらいであったとして、複数の子供を持つ場合にその「最適な年齢になってから」最初の妊娠をするのは「全体として最適な時期に」妊娠出産をしたことにはならないわけで、全体として最適とするには最適よりも前の年齢から始まる必要があります。
「妊娠出産をしていて30歳」の女性と「初めての妊娠出産で30歳」の女性が同じ条件といえるのかという問題もあります。一般的に使用すべき状況で使用されていない身体機能が必要なときに100%正常には機能しないということを、医療従事者でなくても理解している人が多いと思います。長期絶食していた患者が食事開始許可の当日にフルコースや焼肉の食べ放題に行っても良いと言うことはあり得ません。

最近、「不妊の原因の半分は男性」というのをよく目にします。男女半々の原因であるかのような印象を与えますが、実はこれは「男性のみに原因24%、男女とも原因あり24%、女性のみに原因41%」というWHOの発表を極力「政治的に正しい表現」にしたもので、実際は女性の高齢化が占める割合がかなり大きいという現実から目を逸らしています。「原因の約半分が男性」と同じ計算方法からすると、「原因の約6.5割が女性」と言わなければいけなくなってしまいます。
不妊の問題に加えて、子どもの先天的な異常(およびそれが原因と思われる大半の流産)についても、女性の高齢化による卵子の劣化が大きな要因になっています。

10代で出産するのは家庭や教育の程度が悪いということがよく言われますが、実際には「家庭が悪い」と言われるような人以外は10代での妊娠出産が容認されにくいという大きな交絡因子がありますので、10代で出産したから家庭が悪いとは言えません。

20歳前後までで出産となると教育に支障が出るという意見もありますが、親が若くて協力を得やすい(介護の必要度も低い)うちに出産してしまってから教育を受けたり専門知識を身に付けるほうが、キャリアを中断して結婚や出産を考えるよりも結果的にキャリアの点でも有利になる可能性があると思います。

そもそも男女問わず、高度な教育によって得られる「将来」というものの価値は、本当の意味での「未来」と比べて、それほど大きなものなのでしょうか。私は逆に、現代の価値観や教育制度の前提、性道徳というものが、生物としての実体と乖離していると考えたほうが合理的だと思います。

妊娠出産可能な若者が性の対象であってはならないとされる理由について、真剣かつ冷静に、人類の未来を見据えて考える必要があるのではないかと思います。個人的には、10代で子供を作る人たちというのは、時代に流されることなく生物の本質に基いて遺伝子の劣化から未来の人類を守っているのではないかと思います。

真実でない「耳当たりのよい言葉」で女性を非婚化・晩婚化・高齢出産に陥れようとするおかしな思想から、もっと多くの人が自分自身の未来を守ってほしいと思います。